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 英国の欧州連合(EU)離脱決定から2ヵ月が経過し、株価や為替相場の乱高下も収まり、金融情勢も少し落ち着きを取り戻したかに見えます。しかし、英国が本当にEUから離脱すると考えていた人は少なく、この決定が英国・EU関係を越えて、世界経済と国際関係に衝撃的影響を与えると認識していた人もごく少数だったと思います。経済と移民をめぐる議論が先行し、わが国でもそうした視点からの議論が多かったためと思われます。
  英国のEU離脱決定の背景には、英国経済の成長問題、格差や富の偏在、貧困地域における短命化、低学歴問題、性別や民族による差別、雇用や所得問題といった、英国が今日抱えている政治・経済・社会問題があります。貿易経済上のメリットは享受したい、だがEU法規・制度からくる過度の制約や移民の流入は避けたいという身勝手とも思える英国独自の要求があることも事実です。成熟国家とその経済が直面する問題が投影されている点も注目に値します。同時に、EUがこれまで進めてきた市場統合と拡大政策が大きな曲り角にきていることも事実で、わが国経済の先行きに絶大な影響を与えることも否定できません。
 国民投票も終わり、英国新政権も発足しましたが、離脱交渉がいつ始まるのか、また、離脱手続きがどのような形で実施されるのかまだ何も決まっていません。しかし、離脱の方向はすでに確定しており、欧州経済社会もその方向で動き出しています。英国が今日目指しているのが“英国型資本主義を模索する社会経済改革”であるかどうかは別にして、英国の政治経済と社会の在り方を大きく変えるものであることは間違いありません。
 アベノミクスに対する期待はすでに内外で色褪せていますが、日本経済とその政策的動きに対する関心は英国・EU諸国共に高く、そうした動向を織り込んで、今回、パネル形式での討論会を企画しました。欧州問題に起点を置くパネル討論会はIISとしては初めてでしたが、日本の将来を併せ考えるための良い機会になったと思います。


Ⅰ部: パネルディスカッション
 日 時: 2016年9月3日 (土) 13:00〜16:00
 テーマ: 英国EU離脱後の世界とどう向き合うか
 パネリスト:杉田弘毅氏(共同通信社論説委員長 )
       大井幸子氏(国際金融アナリスト、
             株式会社 SAIL 代表取締役社長)
 モデレータ: 唐沢 敬(IIS代表、立命館大学名誉教授)
 場 所 明治大学 紫紺館 3階 S4会議室
 


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