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ソロ世帯の年齢分布「東京と秋田」で異なる点

荒川 和久 : 独身研究家、コラムニスト

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2020年実施の国勢調査の結果、その第一報となる人口速報集計が6月末に発表されました。今回発表されたのは、都道府県市町村単位での男女別人口と世帯数までです。報道では、相変わらず既知の事実である人口減少などが取り沙汰されていますが、私が注目したのは世帯数の著しい増加です。人口は約87万人も減っているのに、世帯数は約227万世帯も増えています。

2018年の国立社会保障・人口問題研究所(社人研)による将来人口推計では、2020年世帯数推計は5411万世帯でしたので、2015年からプラス66万世帯増にとどまっていました。それが今回は5572万世帯ですから、その推計の約3.5倍も増えました。

東京に至っては、人口55万増に対して世帯数が52万増。人口増と世帯数増がほぼイコールとなっており、明らかにこれはソロ世帯の増加であると予想できます。核家族からのさらなる世帯分裂が生じています。私の言い続けている「ソロ社会化」がいよいよ現実味を帯びてきたという証しです。

繰り返しますが、人口移動のほとんどは若者によるものです。そして、若者の移動は魅力的な雇用を求めてのものであり、結果として集まった若者同士の出会いの場でもあるわけです。いかに結婚支援や子育て支援の充実を単独で図ったところで、それだけでは若者が地方に行く理由にはなりません。

ワーケーションやテレワーク環境の充実化も一助とはなるでしょうが、抜本的な解決にはなりません。言い換えれば、若者が流出する地域とは、産業が衰退しているという結果なのです。海外からの移民とて、充実した条件の雇用のないところには集まりません。世界的に日本の雇用条件はもはや決して高くはないのです。

残念ながら、都市への人口集中、地方の町の人口減少は必至です。地方に限れば、高齢の老ソロ世帯の増加が不可避となります。社人研によると2040年には世帯の4割はソロ世帯になると推計されていますが、このペースでいけばもっと早くに日本はソロ社会を迎えるでしょう。

同じソロ社会化といっても、大都市における若者の未婚ソロ化と地方における高齢者の老ソロ化というふたつの様相を呈します。地域によって課題も対策も異なるソロ社会問題について、いつまでも見て見ぬふりをするのは限界にきているのではないでしょうか。


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