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元NHK特派員が経験した憎しみと戦いの20年

最近の気に掛かる記事: 広瀬 公巳 : 国際ジャーナリスト

アフガニスタンは忘れられやすい国だ。東京オリンピックの最中、冷戦下の1980年にモスクワ五輪をボイコットした原因がアフガニスタンであったことを思い起こす人は少なかっただろう。

アフガニスタンは資源も利権も少なく、他の地域と比べて大国の関心も薄い。大国の関与がなくなると力の空白が生まれる。そこに、行き場を失った「国家ならざるもの」はウイルスが繁殖するように入り込んでくる。

そんなアフガニスタンから縁を切りたかったのか。同時多発テロ20年となる2021年9月を前にアメリカ軍が撤退し、イスラム原理主義組織のタリバンがアフガニスタンを再び制圧した。多くの犠牲を出した対テロ戦は迷走の末に元の木阿弥となった。

民主化の進展や法の整備、インフラの充実、教育機会の拡大、人権や女性。新しい国造りも今回遠ざかった。

地域の力の空白も心配なところだ。ベトナム戦争より長い「最長の戦争」を戦った末に、アメリカはこの地域に親米国家を樹立できなかった。タリバンと中国が接近し、イランやロシア、インド、特にパキスタンの関与も気になるところだ。

アフガニスタンが「第二のビンラディン」を生む場になるのか、これから注視しなければならない。そして第二のビンラディンが事を起こすかもしれないという理由で、戦いや憎しみの連鎖が繰り返されることはないのか、警戒が必要だ。


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