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最近の気に掛かる記事: 森田優介 ニューズウイーク日本版

<2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)だが、日本で潮目が変わったのは2017年。いま未来へ向けたさまざまな努力が重ねられており、世界をリードするような企業も生まれ始めている。Think the Earthの上田壮一理事に聞いた>

ニューズウィーク日本版では、8月24日発売(8月31日号)の「日本を変えるSDGs」特集で、大企業から自治体、ベンチャーまで、日本のさまざまなSDGs事例を取り上げている。

最近話題に上ることの多いSDGs(持続可能な開発目標)だが、なぜ今、関心が高まっているのか。

日本でもついにSDGsが動き始めたが、ヨーロッパなどに比べて遅れているという声もある。その差はどこにあるのか。

ヨーロッパは、特にエネルギーと環境に関しては、1986年のチェルノブイリ(原子力発電所事故)が大きい。言ってみれば、すぐ隣でメルトダウンが起きた。今後、原発に頼っている社会はまずいぞという感覚。あれ以来、ヨーロッパでは環境(問題の議論)が活発になったようだ。そういう意味で言えば、再生可能エネルギーに日本が関心を持ち始めたのは、(東日本大震災のあった)2011年以降だ。ヨーロッパとは25年の差がある。

ヨーロッパでは市民が決めることが前提になっていて、政策でもビジネスでも常に選択肢を示して、人々の心理を誘導していくことに長けていると思った。市民社会が成熟している。

日本は残念ながら、そこが欠落している。今のコロナ対応を見ていてもそうだが、政治が国民に合理的な選択肢を示さず、人々のモラルに頼ったメッセージが多い。

コロナや気候変動も含め、サステナビリティーに関することはリスクの問題であり、リスクに対しては科学的、統計的な知見に基づいて判断したり、議論したりする土壌が必要で、そのためにはやはり教育が大事。市民が主語でディスカッションできる人がどんどん社会に出ていかないといけない。

(SDGsの文書に)書いてあるのは大まかな課題と数値目標だけ。解決策は書かれていないので自分たちで考え、行動しなければならない。しかもこれまでの常識にとらわれていては解決しない複雑な問題だらけ。こうした問題の解決って、現場での試行錯誤の中でつくられていくものだ。

こうした事例やアイデアから若い人たちが――そして大人も――学んでほしいのは、サステナブルな社会の実現は、何かを我慢してたどり着くのではなく、ポジティブでクリエイティブな挑戦をし続けることによって到達するんだ、ということ。

若者にしかできない発想やフットワークをフルに使って、経験やネットワークのある大人たちと対話をしながら、これまでにない未来をつくり出すことができる時代なんだと思ってほしい。


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