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新しい習慣を0から身につけるのは一苦労だが

最近の気に掛かる記事:東洋経済オンライン 大平 信孝 : メンタルコーチ

引き続き在宅勤務が続いている人も多いと思いますが、「自宅だと仕事になかなか集中できない」「オンとオフの切り替えがうまくいかず、仕事が捗らない」という人も少なからずいるようです。脳科学と心理学のアプローチでメンタルコーチを行う大平信孝さんの著書『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』 より、リモートワークが捗る簡単だけれど効果的な3つの方法をピックアップします。

自宅で絶対「執筆」しない理由

私は現在、コーチングセッション、スクール運営、執筆の3つを主な仕事にしていますが、ここ何年もの間、自宅で執筆を行っていません。原稿は自宅近くの喫茶店で書くと決めており、この喫茶店では執筆以外のことはいっさい行いません。

なぜ、これを徹底しているのかというと、執筆を先延ばしにしないためです。

これには、きちんとした根拠があります。同じ場所で同じ仕事をしていると、「喫茶店に行くと、執筆が進む」ということが徐々に脳に刷り込まれていきます。そして、同じ行動を続ければ続けるほど、その刷り込みが強化されていきます。

すると、喫茶店に着くとすぐ脳が執筆モードに切り替わるので、スムーズに着手できるようになるのです。

この喫茶店に行く際は、パソコンや関連資料など、執筆に必要なもの以外はいっさい持たないようにしています。執筆以外のことをできない状態にすることで、より集中することができるからです。

この効果を、心理学の世界では「アンカリング(条件付け)」と呼んでいます。この条件反射状態をつくるためにも、行き当たりばったりではなく、「この場所では、この仕事をする」と決めて可能なかぎり実行してみましょう。

つい、先延ばししてしまう仕事、なかなか集中できない仕事は誰にでもあるものです。

ですから、たとえば、「集中力が必要な企画系の仕事は、お気に入りのスタバでしかしない」「アポとりは使っていない会議室で行う」「ルーティンワークは自席で」などと決めてそのマイルールをできるだけ守るようにします。

もちろんこれは、テレワークをしている人も活用することができます。「家の中でも特に集中できる寝室の机では、企画の立案など頭を使う仕事だけをする」「ユーチューブを見てくつろぐのはソファー」「事務作業は食卓でやる」などと、家の中をいくつかのエリアに分けて考えればいいのです。

また、アンカリングの効果は、場所だけでなく「時間」にも有効です。ですから、「企画立案は、平日の午前中に会社の近所のカフェで行う」などと時間帯も決めることでより効果が上がります。

このように、「アンカリング」を活用して、場所と仕事を結びつけるだけで、つい先延ばしにしてしまいがちな仕事をスムーズに進めることができるようになるのです。

誰でも簡単にできるテクニックですので、ぜひ試してみてください。

さらに、アンカリングを活用できるシーンは、「場所」と「時間」だけではありません。勉強、読書、日記、ストレッチ、散歩、筋トレなど、習慣化したいけれどなかなかできない行動を習慣づけることにも役立ちます。

具体的には、「歯磨きをした後に → スクワット1回」「朝コーヒーを飲んだ後に → 日記帳を開く」「通勤電車に乗ったら → 本を開く」といったように、すでに習慣化していることの直後に、「新しく習慣化したいこと」をくっつけてしまえばいいのです。

新しい習慣をゼロから身につけるのではなく、すでに習慣化していることの勢いを借りて行動を開始できるのでうまくいきやすいのです。

ポイントは、すでに習慣化している行動の最後と、これから習慣化したいことの最初の行動を明確にすることです。

たとえば、単に「歯を磨いたらスクワットをする」とするのではなく、「歯ブラシを棚にしまったら、スクワットを1回する」といった具合です。

最初は違和感があるかもしれませんが、しばらく続けていくと歯磨き後に自然とスクワットしている状態になりますし、むしろ、しないと物足りなく感じるようになります。

ハイテンションの効果

「なぜだかわからないけど、気乗りしない」「テンションが上がらない」というときもありますよね。そんなときには、ちょっとした行動によってスイッチを入れましょう。
たとえば、今日中に仕上げなければならない出張報告書があるのに、なんだか気乗りしないというとき、次のどちらが、より早く報告書作成に着手できると思いますか?

1.うつむいて、ため息をつく
2.上を向いて、目を見開き「よし!」とガッツポーズする

おそらく、2と答える人が多いでしょう。その通りです。
「落ち込んでいる」「気分が沈んでいる」「鬱々としている」といった、テンションの低い状態よりも、「気分がいい」「気合いが入っている」「興奮状態」といった、テンションの高い状態のほうが動きやすいのです。

理由は、行動力の源になるドーパミンが出るから。

私たちの脳には「側坐核」と呼ばれる場所があり、この側坐核が刺激されると、意欲を高めたり、楽しいと感じる「ドーパミン」というホルモンが分泌されます。このドーパミンが行動力の源になるわけです。

戦国時代の合戦でも「エイ・エイ・オー!」と叫びながら拳を突き上げる“鬨の声”で士気を鼓舞していましたが、これにも科学的な根拠があったのですね。

このように、テンションはちょっとしたことで簡単に上げることができます。簡単に上げられるぶん、下がるのも早いのですが、「やらなければいけないことがあるのに気乗りしない」といったとき、一時的に気分を高揚させ、行動に初速をつけるのに有効です。

テレワークなどでまわりに人がいない状況ならば、「よし!」とガッツポーズをしたり、鬨の声を上げたりすることもできますが、会社などで行うのはハードルが高いかもしれません。

そんなときには、次のようにほんの少し体を動かすだけでも、ドーパミンを出すことができます。・背伸びをする
・座り直して姿勢をよくする
・肩を回す
・爪先立ちをする
・その場で軽くジャンプする
・自分の体の一部分をたたく(頬、肩、腕、太腿など)

 いかがでしょうか。これならいつでもどこでも簡単にできそうですよね。

それでもダメなら…

また、ある程度のスペースを確保できるのなら、30秒間高速で腿上げをするのもいいでしょう。

その他、社内を階段で移動したり、コーヒーを買いに行ったりすることも効果的です。ちなみに、コーヒーに含まれるカフェインも、ドーパミンの放出を促す効果が確認されています。

なんとなく気乗りしないときは、無理して気合いを入れるのではなく、ちょっと体を動かしてみる。これを習慣にするだけでも、行動力が大きく変わってきます。ぜひ、取り入れてみてください。


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