• 政策研究・人材育成のプラットフォーム

国際研究インスティチュート( IIS )とは

 国際研究インスティチュート(IIS)は、学生・院生はもちろん、すでに実社会で活躍されている若いビジネスマンや専門家、家庭の主婦、リタイアされた高齢者の方々に幅広く学びと活動の場を提供する「世代を超えた議論と交流・人材育成のプラットフォーム」です。
 講師・会員・一般受講者が同じテーブルで討論等を楽しむだけでなく、定期講演会や研究部会、読書会、プロジェクト等で得られた知識や経験をさらに発展させ、政策研究や自身のキャリア・アップに役立てることができるユニークな集まりです。参加者一人ひとりがそれぞれの立場から真摯に意見を述べ合い、学びを充実させる機会を今後さらに増やしていきます。

国際研究インスティチュート(IIS)の目的

 日本は近代的な資本主義国家ですが、これは第二次大戦後の廃墟の中から生まれた奇跡的な経済復興と高度経済成長、近代的な仕組みと民主主義に基づく経済社会制度の構築を基礎に築き上げられたものです。戦後の発展過程で蓄積された豊富な知識や経験、高度先端科学技術、自由と民主主義のメカニズムはこうした国民の努力の結晶であり、経済社会発展の礎石であります。グローバル化が行き詰まり、戦後史が大きく書き換えられようとしているいま、国民的議論の不足や政策の貧困から国益が損なわれ、日本国民が不利益を被る場面も増えています。蓄積された貴重な知識、知見、経験等を相互につなぎ合わせ、集積・政策化することでインテリジェンスを高め、国政その他経済社会のあらゆる分野で実行に移すことが強く求められています。
 しかし、今の日本にはそうした知識や経験を相互につなぎ、実行に移すメカニズムや機能体が著しく不足しているも現実です。政策・情報市場の欠落や非営利・独立のシンクタンクの未発達もその一つですが、大学や企業、農漁業等経済社会のあらゆる分野で議論と行動を組織し、政策形成への国民的関与を強めることが何にも増して重要です。
 亀裂と分断が世界的規模で進行し、世界経済と社会の不確実性が高まる中、格差や利害の対立、混乱もまた世界的規模で増えています。政府や政党が多彩に公約を並べても、確固たる理念を欠き、現実に立脚した政策や戦略を提示できず、豊富な知識や経験、技能を備えた人材を用意できなければ、平和で豊かな生活を国民に保証することはできません。
 国際研究インスティチュート(IIS)は、定期講演会や各種研究会、プロジェクトを含め、これまでに培ってきた教育研究と交流の実績、社会的ネットワークを活用し、政策研究・政策形成能力の向上も追求しつつ、国内外の政治経済・社会が提起する様々な問題について世代を超えた議論と行動を組織するユニークなプラットフォームです。年齢・職業・性別に関係なく、社会の各分野で働く人々を幅広く結びつけ、意見や知識・経験の交流を促し、これを制度やシステムの改革、新しい日本の創生につなげたいと考えています。

国際研究インスティチュート(IIS)の研究内容

・グローバル化・情報化・市場経済化の進行の下での世界と各国の変容と課題の研究
・戦後世界の構造変動と新興・開発途上国支援を含む日本の国際協力のあり方研究
・令和の時代、日本はどうあるべきか、若い世代の役割、世代を超えた議論と行動の組織化

 グローバル化や情報化の加速の下で世界経済と国際関係は大きく変容しました。溢れるばかりの豊かさや便益が約束される一方、格差や貧困も際立ち、資源や領土、宗教をめぐる対立や紛争が著しく激化してきています。とくに、近年、グローバル化の行き詰まり、亀裂と分断が世界的傾向となる中で世界経済の不確実性も高まり、各国の利害と対立も増えています。
 2008年のリーマン危機後一段と鮮明になった米欧日先進工業諸国経済の”衰退“、新興経済の発展と国際的関与の増大という歴史的状況に、グローバル化の行き詰まり、亀裂と分断の進行等が重なって、戦後体制と平和と民主主義、社会進歩をめざす国際協調の枠組みそのものが歪み、崩壊の危機に晒されてきています。
 グローバル化は国境を超えた領域でのヒト、モノ、カネの大規模な交流を実現させ、豊かさや便益をもたらすものですが、冷戦後、それが野放図に実行された結果、それに適応する制度や政策の構築が間に合わず、混乱が拡大しました。その裏返しとして発生したのがグローバル化の行き詰まり、亀裂と分断の進行といった状況です。グローバルな視点と国民的利益に応える制度や政策の構築、研究・教育改革、経済社会の高度化・多様化が求められているのもそのためです。国・地域・企業・個人がそれぞれの立場から居住まいを正し、変化の時代に適応する知恵と能力を磨かなくてはなりません。
 国際研究インスティチュート(IIS)は、こうした目的に沿って日々生起する政治経済・社会のあらゆる変化や事象を正確に分析、インテリジェンスを高め、直面する課題と真摯に向き合う所存です。