2015年度第3回目となる講演会が7月11日に開催されました。今回のテーマは「変化する国際環境とどう向き合うか?」。
インターネットの普及や交通網の発展に伴い、かつてない早さのスピードで変化している現代の国際環境。その変化とどのように向き合っていくべきかという課題は、いまや日本という国としてだけでなく、国民一人一人にとっても欠かせない問題となっています。今回の講演では、その難しい問題と今後うまく向き合っていくためのヒントを求め、池上雅子先生にご登壇していただきました。
池上先生は、長年にわたり北欧のスウェーデンで研究生活をされ、ストックホルム大学アジア太平洋研究所所長などの役職を務められました。現在は、東京工業大学教授で安全保障問題を専門に研究されており、ヨーロッパとアジアという2つのフィールドを中心に活躍されています。
講演では、安全保障問題のプロフェッショナルである池上先生に、世界における核の問題やヤルタ体制以後の領土問題など、様々な問題について丁寧に解説していただきました。
その解説を通じて印象的だった点が、「現代の国際情勢と歴史のつながり」です。多数の国々が関わり解決が困難にみえる問題も、その裏にひそむ歴史を科学的に分析することで、問題解決への糸口を見つけられる。だからこそ、現代の国際情勢をつかむためにも歴史を学ぶことが非常に重要だ、というご指摘は非常に興味深く、参加者のみなさまも聴き入っておりました。
いくつもの事象が複雑に絡み合い、変化の激しい現代の国際環境。その変化に対して真摯に向き合っていくためにも、私たちは改めて過去の歴史を学びなおすことが重要なのかもしれません。
(文責:加藤寛康)